近未来のこどもたち

年間授業時数の変遷

 20世紀の日本の学校は、土曜日にも授業をしていた。それが隔週週休二日になり、21世紀になって完全週休二日になった。この時期の学習指導要領は、ゆとり教育を目指した。

しかし、2003年のPISAショックで「このままの方向性でいいのか?」という危機感が、教育関係者の中でも高まった。そして、完全週休二日の体制のもとで、授業時数は再び増加した。小学校での増加が、中学校に比べて多いのがわかる。

学習指導要領小学校6年間の総計中学校3年間の総計
詰め込み教育時代(週6日)58213535
ゆとり教育時代(週5日)53672940
GIGAスクール時代(週5日)57853045

2005年7月8日から9月16日まで放送された連続ドラマ「ドラゴン桜」

 落ちこぼれ高校で、元暴走族の弁護士が、生徒たちを東京大学に現役合格させるという物語。

学校が完全週休2日になり、授業時間数が低下した。そのときの大人の価値観をドラゴン桜は代弁していたのかな。

・「ゆとり教育」の時代には、自分で学力を上げることが大切

・一億総中流といわれた、バブル景気は昔になった。勝ち組・負け組という言葉が使われ出した。

これからの厳しい時代にいまの生活水準を維持するには、競争に勝ち残ることが大切だ。バブル後の競争の激しい社会では、偏差値の高い学校に進学することで、生涯の競争に勝ち残れる機会が増えるという思いあったのではないか。

・東京大学といえば誰でも知っている、ここにこ合格すれば大丈夫じゃないか。ドラゴン桜では東京大学への合格をプラチナ・チケットと言っていた。

現実はそう甘くはない

 東京大学でも京都大学でも、学生の1/3は素晴らしい、1/3は普通、1/3はとんでもないという当時の大学教員のつぶやきどおり、企業にも相手にされない学生たちもいた、しかし、それは大きく取り上げられることはなかった。

2024年の出生数は70万人程度で、15年後には日本の高校1年生の数は現在から半減することが確定している。その近未来に、生き生きとしている生徒たちを思い描いてほしい。