映画『学校』を見よう〜「昭和100年映画祭」〜

不登校の生徒が夜間中学に通う

幅広い年代の生徒が集まる夜間中学校を舞台に、挫折や苦境から立ちあがる人々を描いたと紹介されている映画で、1993年公開です。昨日偶然に見つけて、妻と二人で視聴しました。映画の風景は公開時点より少し古く感じます。

下敷きになったのは、松崎運之助(みちのすけ)さんの著書である『青春 夜間中学界隈』という本で1985年出版だそうです。映画はその頃の風景を元にして撮影されたのかなと思います。

特筆すべきは、不登校になった少女が夜間中学にやってくる。その少女も夜間中学の主要なメンバーの一人としてして描かれていることです。

私は1985年当時は新規採用3年目の新米教員で、府立西成高校で勤めていました。学校を中途退学してゆく生徒たちが多くいた学校に勤務しながら、学校に行きたくても行けない生徒の存在に想いを馳せることはできませんでした。山田洋次監督の慧眼に恐れ入るばかりです。

高槻松竹という映画館がありました

西成高校から異動して勤務したのが、高槻市にある大冠高校でした。1年生を担任をしていたときのこと、春の遠足が雨で急遽中止になり、高槻市駅に程近い商店街にある「高槻松竹」さんに1クラス全員でいれていただき、学校Ⅱを見ました。

北海道を舞台に、支援を要する子どもたちが描かれた映画でした。映画が終わり振り向いてクラスの様子を見ると、涙している生徒たちがそこにおりました。そんなことも思い出しました。

高槻松竹さんの支配人は、学校の職員証を見せたらいくいらでも映画をみていいと言ってくれるような方でした。とても素敵な街の映画館でした。

昭和100年の節目に素敵な映画をかえりみる機会を作ってくださったことに感謝し、映画が持つ力をあらためて思い起こすことができました。みなさんも是非どうぞご覧ください。