失われた時を求めて

勤務校では1学期末テストが終わり、夏休みが目前になってきました。遠い夏の記憶・・・・縁側から眺めていた水に浮かべたホテイアオイを思い出します。水盤の中のメダカ、軒先の風鈴。そんな中でぼーっと空を見上げながらたたずんでいたことを思い出します。空を見上げるクセは大学院生になっても変わらず、外国人の研究者に瞑想しているのか?と尋ねられたこともあります。彼はアメリカ東海岸からやってきた人で、私の姿に興味を覚えたのかもしれません。

昔は余った時間を余暇といい、その余暇を楽しむ習慣があったように思います。そして、学生(特に男子学生)には余暇に、遊学や放浪をたしなむ傾向がありました。

大学3回生の夏、沖縄本島を遊学しました。琉球大学の与那演習林を歩き回ると、どの樹木も見たことのないものばかり。夕食で奢ってもらったオリオンビールの味が軽くて驚きました。琉球大学の瀬底島臨海実験所にもお邪魔して、スノーケリングでサンゴ礁を泳いで回りました。ここでだったら、何かができる!そして、ここに来なければ一生後悔する・・臨海実験所から目前の海を眺めて、そんな気持ちになりました。在籍していた大学は京都大学農学部林学科でしたが、帰京して琉球大学大学院への進学準備を始めました。

さて、若い生徒の皆さん、夏休みには普段の授業から離れて、自由な時間を過ごせるといいですね。日本を離れて、大阪を離れて、いつもとは違う世界を体験することができるともっといい。旅することで、いつもの日本国内での価値観から自由になれるでしょう。できることなら、旅先でぼーっと空を見上げながらたたずんでください、余暇を楽しんでください。そしてあなたにとって大切な何かを見つけてください。