ギョギョ:台所で魚類学

カレイを食べたことのない人はいない、しかし、カレイのことを考えた人もいない

体の先端に二つの眼があるのはわかる、上面の中心くらいに小さなヒレがついている。体の両側と、後ろ側にもヒレがある。後ろのヒレは尾ビレだろう。上面のヒレ、体の両側のヒレは何というヒレだろう、どう考えていけばいい?

カレイをよく見るために、裏返して観察してみた

カレイの上面は、砂底と同じ色なので体の内部が見えないけれど、下面は体のつくりが透けて見える。先端に大きな口があり、その後ろにエラがある。エラの後ろには下面なのに小さなヒレがある。内臓は体の片方にだけある、こちらが腹側なのだ!

体の軸には前後・背腹・左右の3つの軸がある、これを使って考える

腹側に伸びる一枚のヒレは「尻ビレ」、背側に伸びる一枚のヒレは「背ビレ」だと考えると合点がいく。エラの近くにあるは「胸ビレ」、これは上面と下面の両方にある(二枚あるので対ビレという)、「胸ビレ」の腹側には、二枚のヒレがある、これが「腹ビレ」だ。

カレイはどのようにして、平たくなったのか?

体の左側を下にして、寝転んだ状態で生きているので体が平べったく見える。下側には胸ビレもあるし、エラもある。だけど下面に眼はない、カレイが成長するにつれて、左右にあった眼のうち、左眼が右眼と同じ側に移動するという曲芸をやってのける。生き物ってこんなにしなやかに生きることができるのだ!

Weekend Academyでは、炊事体験の際に季節の魚を捌きながら学びを深めていきます。生物の多様性を学びながら、生物の共通性を武器に考えることを学びます。こんな体験をしたい方は土曜日:昼コース11:00〜14:00に体験入学希望と連絡してください。